相続には無縁だと思っていたBさんの場合

Bさんは両親との3人家族で、賃貸マンションに暮らしていました。Bさんの父はサラリーマンを既に退職し、退職金を元手に個人事業を展開していましたがある日、日頃の無理やストレスからか、急性くも膜下出血で54歳の若さで急逝してしまいました。あまりに急な出来事だったので、Bさんの母もBさんも深い悲しみにくれながらも、慌ただしく葬儀・初七日法要を何とか終えることができました。僅かな預貯金も葬儀などで使ってしまい、受け取れる生命保険金もごく僅かであったため、「これからは自分が母親の面倒をみなくては」と父の位牌に誓うBさんでした。
Bさんは子供は自分一人だし、財産もほとんど無いため相続なんて無縁だと思っていました。
ちょうどその頃、BさんはADSLに切り替えようと思っていたところであり、この際と思い、電話回線名義を父親からBさん名義に変更し、ADSLとしました。これが後に悔いる行為となったのです。
父が亡くなった後、1ヶ月過ぎた頃に自宅に督促状が送られて来ました。ノンバンク系の金融業者からで、その後も他社からや事業上の買掛金請求書等が次々と送られてきました。その合計額は受け取った生命保険金を大きく上回るものであり、Bさんの母もそのあたりの債務については聞かされていなかったようでした。
Bさんは限定承認や相続放棄のできることを知り、専門家に相談に行ったところ、電話債権の名義変更が財産の処分行為に当たる事を初めて知らされました。被相続人の財産を処分すれば、相続放棄も限定承認もできません。今さら亡くなった父親名義に戻すこともできず、結局Bさんは全ての借金を返済する事になってしまいました。もっと早く相談しておけば・・・と後悔するBさんでしたが、どうしようもなくコツコツと返済するしかありませんでした。
アドバイス
相続放棄あるいは限定承認の可能性がある場合、被相続人の財産はそのままにしておきます。土地・家屋・車・電話等の名義変更はしないで下さい。また、ある特定の債権者に弁済したり、逆に弁済を受けても処分行為となります。
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