相続人調査をしなかったDさんの場合

 Dさんの父は、昨年71歳で病死しました。母親は既に死亡しており、Dさんには弟と妹が一人ずつで皆、結婚しています。財産は2,000万円の定期預金でしたが相続手続きも煩わしいので、父名義のまま解約し、3人の兄弟で話し合い、均等に分配しました。弟と妹はそれぞれ車と住宅購入資金に充てたようです。Dさんは事業の運転資金に充当し、何事もなかったかのように思えました。

ある日、自宅に見知らぬ名前でDさん宛に封書が届きました。何かと思い見れば、「自分も亡父の相続人なので、財産を受け取る権利がある」という内容です。そんな筈はないと疑いながら、専門家に相談に行ったところ「相続人調査をしましたか?」と聞かれ、していない旨を伝えると、すぐ父の除籍簿を入手するようアドバイスされました。

すぐに除籍簿を取り寄せ確認すると、どうやらDさん兄弟が戸籍から抜けた後、しかも母が亡くなった後に、認知した子供がいるではありませんか。父も後ろめたくて誰にも言えなかったのでしょう。すぐ相手方に連絡を取り話を聞けば、成人するまでは仕送りも受けていたようです。困ったDさんは「財産は分与して各々、消費している」と説明しますが通じるわけがありません。

結局Dさんは、兄弟にはお金を戻して欲しいとも言えず、一人で相手方に法定相続分を支払いました

   アドバイス
本ケースのように、銀行は死亡の事実を知らなければ預金口座を凍結しませんが、相続人不確定のまま分割するのは禁物です。


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